2012年9月9日

最後の日

　いよいよタルノフスキェ・グリの最終日です。まずは朝食後に荷物の大移動！本来チェックアウトしてしまったらホテルの部屋は使えません。しかし、今日はこの後、着替えの予定があるのです。ミロスワヴさんやスタッフがホテルと交渉し、1階の部屋を6つ、特別に貸していただきました。班ごとに荷物を割り当てられた部屋に移動してから、教会に向かいます。

　聖ピオトル＆パヴェウ教会でのリハーサルは10分ほどです。ミサのために町の人達が集まってくる前に済ませました。私たちの席が前の方にとってあり、ミサに参加させていただきました。柱になんだか大きな液晶パネルがあるなぁと思っていたのですが、なんと歌詞カードならぬ歌詞ボード！聖歌を歌う時、歌詞が映し出されるんです。道理で机のところに聖歌集が置いていないわけです。これだったら皆下を向かないで歌えますね。

　ミサの後、祭壇前に整列して3曲歌わせていただきました。「ふるさと」「赤とんぼ」「はるかな友に」です。教会いっぱいに響き渡る日本の歌。ミサに参加した多くの人達が聴いてくださいました。タルノフスキェ・グリで歌うのはこれが最後です。

　神父様もご一緒していただいて記念写真を撮りました。

　さあ、この後は二手に分かれてパレードの準備です。まずパレード参加組はカーシャの付き添いでホテルに戻り、浴衣に着替えます。それからパレード出発地点に移動することになっています。

　パレードで歩かない見学組はアリツィア付き添いで文化センターのカフェにやってきました。ここでしたらお手洗いもありますし、時間まで待つのにちょうどよかったんです。ここでミロスワヴさんがドリンクをご馳走してくださいました。コーヒーはおいしかったです。ミロスワヴさん、ご馳走様でした！

　時間がきて、パレードのゴール地点にやってきました。ここはお偉いさんや関係者のVIP席なのですが、我々のためにも席を設けてくださいました。この破格の待遇。本当に今年のグワルキのメインゲストだったんですね。お天気に恵まれ、日が当たるので暑いくらいです。

　パレードはグワルキというフェスティバスの最後を飾るメインイベントです。沿道はびっしりと人が埋め尽くし、道路沿いの建物の窓からは人がたくさん顔を出しています。とどろきわたる祝砲の合図でパレードがスタートしたようですが、なにせここはゴール地点、なかなかやってきません。

　しばらくしたら賑やかな鳴り物と共に次々とやってきました。どうもいろいろな時代の衣装で歩いている様子です。例によって司会者がまくし立てているのですが、さっぱりわかりません。説明がわかればもっと面白いでしょうに。残念。

　馬に乗った人たちもたくさん来ました。VIP席の前でハトを放つというのもあり、次から次と楽しみました。しかし…おおるりはいつ来るんでしょう？

　その頃スタート地点では、おおるりの面々が出番を待っていました。なかなか順番は回ってこないわ、馬の落とし物のにおいが立ち込めるわで大変だったそうです。

　スタートから1時間ほどしたでしょうか。賑やかな歓声と共にコーラスおおるり到着です。沿道の人からも建物の窓の人からも拍手喝さいを浴び、まるで金メダリストになったようだと誰かが言っていました。なんとパレードの最後を飾らせていただきました。報道のカメラが追いかけていてすごかったですよ。きっとこちらの新聞などに載るのかもしれませんね。そういえばグワルキの記録ビデオには必ず載せるとミロスワヴさんが言っていました。浴衣とはいえ日本の民族衣装はとても珍しいんです。町の人達に喜んでいただけて、遠くから来た甲斐がありました。

　パレード終了後、みんなで記念写真を撮りました。やり終えた充実感で満ちています。

　カーシャとはここでお別れです。それにしても若いってすごいですね。最初はほとんど日本語が出てこなかったのですが、この4日ほどの間にみるみる上達。一応困らない程度にまで話せるようになりました。もちろんもともと日本語を勉強していたのですが、実際話すとなると大変ですものね。きっと彼女も自信がついたのではないでしょうか。

　ホテルに戻って着替えをし、いつものレストランで昼食です。お世話になったミロスワヴさんの挨拶があり、みんなで乾杯しました。長いような短いような、充実した日々でした。

　いよいよワルシャワに向けて出発です。来るとき6時間かかりましたから、帰りも覚悟はしていました。しかしアンジェイが頑張ってくれたのと渋滞に引っかからなかったのが幸いし、帰りは5時間弱でワルシャワのホテルに着きました。スーツケースはポーターに任せ、そのままホテルのレストランに直行です。え？飲み代分のズロチが足りない？いまさら両替もできませんし、私が建て替えますから後で日本円で返してくださいね。あれ？物価がタルノフスキェ・グリとだいぶ違う！飲み物、倍近くになっていませんか…？