2012年9月6日

タルノフスキェ・グリ

市立文化センター 昼食のが済むと荷物を抱えてバスで市の文化センターに移動しました。今夜のコンサートにむけてリハーサルです。まずコーラスおおるりの練習、次にこちらの合唱団ノヴォヴィエイスキとの合同練習、その後ノヴォヴィエイスキのリハーサルという段取りです。

 私達のために楽屋用の部屋を2つ用意してくれました。一つは鏡やトイレも付いた楽屋部屋。もう一つは階段を上がって2階の映写室のような部屋です。用途が用途だけにこちらの部屋はちょっと暗いのですが、椅子はたくさんあります。楽屋部屋の方は人数の半分分しか椅子がありません。これでも破格の待遇なのです。文句を言ってはいけません。荷物を置いてホールでいざ!練習!です。

リハーサル 舞台スタッフさんにお願いして、ひな壇を少し丸くしてもらいました。左右両翼が少し中央に向く感じです。これは母の好きな形。この方がみんなの声がまとまるからです。さて問題のピアノですが…おお、グランドピアノではありませんか!大丈夫!ちゃんと88鍵あります。調律もしてくれたとのことで、音も出ます。笑い事ではありませんよ。ヨーロッパの田舎ではこれは重要なことなんです。これ以上を要求するのは贅沢…というか無理というもの。あとは腕でカバーします。実は母は最後まで反響板にこだわっていたんですけど、ありません、そんなもの。小ぶりのホールですし、そこそこ響きます。音楽専用ホールではないようですが、いいホールですよ。日本人はね、贅沢に慣れすぎているんです。設備や道具に頼りすぎ。なにはともあれ練習練習!早くこちらの響きに慣れなくては。

休憩も入れながら持ち時間の中での練習で、なんとなくまとまってきた私たちの響き。そこに男声合唱団ノヴォヴィエイスキの皆さんがやってきました。合同合唱の練習です。日本語の歌「はるかな友に」は、やはり彼等には難しかったらしく、なかなか音楽に乗れません。それでも何回か歌っているうちにそろってきました。普段女性だけで歌っている歌も男声がはいると厚みが出ますね。ポーランド語の歌は「森へ行きましょう」。頑張って練習してきました。大丈夫。1回目から口がまわっています。そうしたら指揮者のシェリガ氏から突然の注文。後半のラララ…の部分を女声だけが歌ったり男声だけにしたりと変化をつけましょう、と言うのです。どこをだれが歌うかはその時に指示するとのこと。ちゃんと指揮者を見ていなかったら歌えませんね。本番が楽しみです。
 リハーサルを終えた私達は楽屋に引き上げ、舞台ではノヴォヴィエイスキのリハーサルが始まりました。ここで通訳兼ガイドのアリツィアさんが「取材がきてます」と言ってきました。このコンサートだけでなくグワルキというフェスティバル全体を取材している地元のメディアらしいです。どうしてこのフェスティバルに参加することになったのか、日本ではポーランドについてどんなふうに知られているかなどを質問されました。もちろん日本人のショパン好きの話もでました。
 あれやこれやと準備が終わり、後は本番を待つだけです。

市役所 さて、合唱団がリハーサルをしている間、応援団は街へ散策に。街中の様子を写真に撮ってきてくれました。
 ここタルノフスキェ・グリ市は人口約66,000人。古都クラコフから北西100キロに位置する、周囲約83.47キロの地方都市です。16世紀にはヨーロッパでも大きな鉱山の都市の一つとして栄えたそうです。この市庁舎の建物の前は広場になっていて、フェスティバルのための準備が始まっています。

街中 毎年9月初めに行われるフェスティバル「グワルキ」は50年以上続いているそうです。今年は明日から。そう、今夜は前夜祭です。当初フェスティバル初日にコンサートをする計画でしたが、なんでも文化センター前に移動遊園地が建つのだとか。そうすると賑やかになってしまってとてもコンサートという雰囲気にならないのだそうです。なので今夜やってしまおうということになりました。街中はフェスティバルの準備のほかに道路工事も行っていました。石畳は手入れが必要なんですね。

ソーセージ これはお肉屋さんのディスプレイ。何種類ものソーセージが並んでいます。ソーセージにザウアークラウト(キャベツの酢漬け)にジャガイモ…ドイツに統治されていた時代の名残でしょうか。ポーランドはプロイセン・オーストリア・ロシアなど様々な国に支配された歴史を持っています。食事などにその面影を見ることができます。最終的に真に解放されたのは1989年。ついこの間なんです。

 そろそろ時間がきて応援団もホールに戻ってきました。もうすぐ開演です!

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